超時空要塞マクロス
セリフ

リン・ミンメイ
ナレーション 「異星人の攻撃を避けるべく急遽発進したマクロスは月の裏側へ超空間転移しようとして失敗、
基地の島共々月の裏側ならぬ冥王星軌道の宇宙空間へ送り込まれてしまった」
グローバル
未沙
グローバル

未沙
グローバル
未沙
グローバル

「シェルターを最優先に引き入れろ。中には町の住民が避難しているんだ」
「艦長、プロメテウスもダイダロスも連絡ありません。生存者は…」
「やはりなぁ…向こうはただの空母、宇宙を飛ぶようには出来ていないからな。
早瀬君、作業艇に命令を出してくれ空母をこちらに引っぱってこいと」
「まさか、アームド1アームド2の代わりにドッキングさせるおつもりですか?」
「うむ、艦載兵器はまだ使えるはずだ」
「上手く行きますかしら」
「作業員の努力に期待している」
「シェルターの収容が終わり次第、外に浮いているものは一切合切取り込むんだ」
ナレーション 「マクロスの進宙式を見物に来て騒ぎに巻き込まれたエアレーサー、一条輝は
途中で救い出した少女リン・ミンメイと共にマクロスの艦内へ飛び込み九死に一生を得た。しかし」

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ
「よーし、うっおしうっと、えっちょーてぁあああああえいっ」
「ねえもう諦めたら?人を呼んで下ろしてもらった方が早いんじゃない?」
「う、うん」「あっ」
「どうしたの?」
「通信機が壊れてら」
「ああ」「なーにそれ?」
「コンパス」
「コンパスってこんな形してるんじゃない?」
「えっ…ぶっはははははははは」
ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ
「コンパスって丸を書くコンパスじゃなかったの」
「艦内は広いからねこいつがあればレーサーの位置がすぐ分かるってわけさ」
「周り中パイプばかり」
「ああ、エネルギーブロックに近いせいかな?」
「熱っ」
「あっ」
「ああ何ともないわほらちょっと熱かっただけよ」
「気をつけなくちゃ危ないよ」
「うん」
「うわったったぁててて」
「あっほらほら気をつけて」
「4つめもダメか」
「道間違えたんじゃない?」
「ブリッジの方に進んでるはずなんだけど…これで正しいよやっぱり」
「行こう」
「うん」
クローディア
フォッカー
クローディア
グローバル
クローディア
グローバル

フォッカー
グローバル
クローディア
「民間人を探してくれですって?」
「そう、一条輝って言ってな俺の後輩なんだ」
「あなたね、冗談も時と場合を…」
「クローディア君」
「ん」
「フォッカー少佐グローバル艦長だ。君も知っていると思うが
今、本艦には5万人を超える民間人が避難している。今、敵の襲撃を受けたらどういう事態に陥るかは…」
「分かりました!5万人の方が一人の命より大事だってわけですね!」
「いや、あ、あの…」
「分からずや」
ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ
「ねえ、あっち明るく見えない?」
「ほんとだやったぁー」
「ふふ」「あそこから上れそうよ」
「うん」「巨人用のエアロックか」
「きゃーー」
「はっ、えっはっ、どうしたの?ああ…」
「ねえ一体どうしちゃったの?」
「悪い夢でも見てるんじゃない?」
クローディア
キム
クローディア
美沙
クローディア
ヴァネッサ
クローディア
未沙
ヴァネッサ
未沙
ヴァネッサ
シャミー
クローディア
「艦長はただいま艦内視察中以上」
「コーヒー入りましたよ」
「あぁ」
「はぁ」
「うふ」
「うんっ」
「まったく艦長がフォールドなんてするから」
「地球と連絡することすら出来ない艦に5万人以上の避難民。こんなところを攻撃されたらお終いね」
「フォールド通信は出来なくても通常電波で時間さえかければ」
「そう地球の統合軍司令本部と連絡できる。でも敵にもこちらの居場所を教えることになるわね」
「そっか…」
「早瀬中尉RX24ブロックが避難場所の指示を求めています」
「コーヒー飲んでる暇もない」

ミンメイ


ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ
「どう?足の痛みは」
「足はもう大丈夫だけど喉がカラカラ」
「水か、食い物ならレーサーに戻れば少しはあるんだけど……水が飲めるかもしれないよちょっと待ってて」
「準備OK」「ふんっえいっしょえーいうーんうーん」
「えいっしょ」
「あれ」「うわっは」
「うわーおいしい気持ちいい、そうだ私シャワー浴びよ」
「えっ今ここで?」
「そうよ体中汗かいちゃったもん」「ん?」
「あっあのー俺あっち行ってたほうがいいかな?」
「うれしいわ気を使っていただいて。ついでにその辺に衝立でもこしらえてくれるとありがたいんだけど」
「あいあい」「えっつこのー」「これでいいか?」
「ありがと」「きゃ」
「あっどうしたミンメイ」「あっあ、あれー」
「やーあ」
「ん、ったく」
「うふちょっとからかい過ぎたかな。輝ごめんね。輝どうしたの?怒ったの?輝返事して。あっ」
「俺の作業着が見つかったよ。よかったらそれに着替えたら?」
「はあーさっぱりしたわ輝も浴びてきたら?」
「もちろんそうするよ」
「この服ダボダボ。べぇーだ」
「携帯用の食料も見つかった一つ食べないか?」
「まっ素敵」
「腹すいてるもんなぁおっ旨い旨ーい」
「ねぇそんなにいっぺんに食べちゃっていいの?」
「平気平気明日は出口が見つかるって」
「もし見つかんなかったら?」
「たかだか1kmぐらいの船ん中だ、平気だと思うよ」
「でもさっきもあんなに歩いてとうとうダメだったじゃない」
「だから明日はちゃんと地図を作ってだね…俺食欲無くなっちゃった」
「いじけた?」
「誰が!」
「うふふふふうふふふふ」
ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ
「よく考えたら一日だったんだ」
「ほんと、先輩に呼ばれてマクロスを見に来て宇宙人に襲われたと思ったら、いつの間にか宇宙のマクロスの中」
「叔母さんたちどうしたかな」
「シェルターに逃げてれば大丈夫と思うよ」
「そうね兵隊さんたちが守ってくれてるわね」
「兵隊さんたちか…んっ?ち、ちょっとこりゃまずいんじゃない?こんなところで寝ると。風邪引いちゃうぞ?」
「きゃ!」
「あっちょ、あ」
「ふーんおたくそういう人だったの知らなかったわまったく」
「ま、ちょっと待てよあれはネズミが」
「ふん、あっネズミー」
「だから言ったろ?船なんだから人間なんかよりよほど先に住み着いてるのさ」
「私ネズミ苦手なの早く追っ払って」
「ひょっとするとあれはネズミたちのおうちだったんじゃないかな」
「やだぁ」
「ネズミたちと明日わけを話してベッドを分けてもらいますか」

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ
「これがここいっ…ん?ちょっと!」
「今日で漂流生活二日目の印。いいアイデアでしょ?」
「あっあっああ…じゃあ行ってくる」
「行ってらっしゃい」
「人の大事なレーサーをったく」「いで!うぁいてっつぅ」
「どうだった?」
「ふーん」

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ
「うーんいいにおい」
「こうすれば食料もっともたせられるでしょう?」
「流石中華料理店の娘」
「やだぁ、あそこは叔母さん家、時々遊びに行ってるの」
「へぇじゃあ君の家は?」
「横浜、中華街でレストランやってるのはい」
「なーんだてっきり中華料理屋の……えっ?」「うーん…もってあと三日か」
「お母さん…」
ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ
「お帰りなさい」
「もうお手上げだ。ここは完全に絶海の孤島だよ」
「そう、食料もこれが最後よ」
「外に出て助けを呼ぼう」
「外?」
「エアロックから宇宙に出て、別のエアロックから艦内に入るのさ」
「でも、宇宙服もないのに」
「このヘルメットは戦闘用のやつだから気密性が高い補強すれば何とかなると思うよ」
「でも…」
「このパイロットスーツと組み合わせりゃ少しくらいならもつと思うんだ」
「でも…」

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

輝・ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ
「これでスイッチ操作のやり方は分かった?」
「うん、でも空気はどうするの?酸素ボンベもないのに」
「酸素は2、3分なら我慢できるよ」
「息止めて行くの?」
「海へ潜ると思えば変わらないだろ」
「どこ行くの?」
「一番近いエアロックの方向を窓から確認しとくの」
「ああ!」
「またかよ浮かんでるもんにいちいち驚いてたんじゃ…」
「マグロかなあれ」
「マグロ?」
「マグロ!」
「あっ!」
「マグロ!」「お刺身!」
「はあーうんっ」
「頑張ってね。よいしょ」
「うぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ」
「あっよいしょ」「はあはあはあはあ」
「ぶはっはあはあはあはあはあ」
「大丈夫?」
「あはあはあはあやったぜこれで当分食い物には…あー」
ミンメイ


ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ
「そんなにがっかりしなくてもいいじゃない。宇宙でマグロを釣った人なんて滅多にいないわよ」
「でも、二度と宇宙には出られなくなっちまった。マグロの下敷きになったときこいつの歯に引っかかっちゃたんだ
これで船の外から救助を求める作戦はおじゃんだ」
「ね、天井に穴開けて上行くっていうのは?」
「それも考えたよ。でもあの丈夫な鉄板を開ける機械がどこにあると思う?」
「爆破はどうかしら?」
「レーサーのロケット燃料は殆ど使っちまったし」
「なんに?」
「そいつ」
「ああ…」
クローディア
兵士
クローディア
未沙
クローディア
「ありがとう」
「で、言ってやったのさ戦闘機がいくらあったってパイロットがいなけりゃどうするんだってな」
「お疲れ様。どう避難民の様子」
「ええ、何とか落ち着いて避難民キャンプを作り始めたそうよ」
「避難民キャンプ」

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ


ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ

ミンメイ
「だからねそれ以来フォッカー先輩は急降下しながら女の子を口説くんだって」
「へぇうふ」
「ふふふふふ」
──シンデレラ──
「いい声してるんだね」
「うふっこれでも中学の時は歌のレッスンしてたのよ」
「ふーん」
「それに踊りもお芝居も」
「へぇ色々やってたんだ。僕なんかずーっと飛行機だけさ」
「あら素敵じゃない一つの事に打ち込めるって」
「そうかい?で、おたくは結局何になりたいの?」
「私?そうね、やっぱりお嫁さんかな」
「お嫁さん、そうか君ならきっといいお嫁さんになれるよ」
「うふありがとう。でももうお終いね」
「そんな事ないって先輩たちがきっと探し出してくれるよ」
「もう12日目よ。私たちなんかとっくに死んだと思われてるわ。叔母さんたちも…」
「私たちが死んだらネズミのいい餌ね。きっとあのマグロみたいに」
「そんなこと言うもんじゃないよ」
「いいのよ。でもせめて、死ぬまでに一度は花嫁衣裳は着たかったな」
「ミンメイ……結婚式でもやりますか」
「そうねそれもいいわね」
「ぼ、僕なんかが相手でいいの?」
「ねぇ輝、どうせ死ぬならこのままひとおもいに、外に飛び出しましょう」
「ど、どうしたの急に」
「一緒に死のう」
「馬鹿なこと言うなよ。空から落ちたって宇宙を漂流したって助かったじゃないか今度も絶対助かるって」
「だって、そんなこと言ったって、出口一つ見つけられないじゃない。どうせ死ぬのが怖いんでしょ意気地なし」
「自分でも情けないよな。どうせ僕は飛行機を飛ばすしか能のない人間で、だけど、だけど僕君のこと…ごめん」
「そんな意味で…うふどうかしてた私、私…私」
市民A
市民B
市民C
町会長
ミンメイ
市民D
市民E

ミンメイ
よっちゃん
ミンメイ
よっちゃん
町会長

叔父

叔父

ミンメイ
美沙

ミンメイ

町会長

町会長
市民F
市民G
「敵のミサイルだ」
「不発弾だよ」
「早く処理しないと危険だぞこりゃ」
「あっ!ありゃミンメイちゃんやないか」
「町会長さん」
「おい人が見つかったんだってよ」
「えっ」
「なんでそんな、宇宙船の中に…」
「うわあ素敵お店もよっちゃん家もそのまま」
「あっミンメイ姉ちゃん」
「よっちゃん」
「あは」
「何や分からんのやけど宙に浮いたわてらの町を、そのままにしておくのは勿体無いし、
どうせ船ん中はがらんどうやさかい一切合切中に入れてもうた」
「はいな」
「う」
「輝君ですなミンメイがな大変お世話になったそうでな」
「は、あ、いえこちらこそ助けていただいて」
「それでね大変だったの」
「ブリッジよりお伝えいたします。只今の攻撃は敵の小型艦による偶発的なものでした。
敵艦はバルキリー戦闘機隊の迎撃により撃沈。我が方は損傷軽微。空襲警報は解除されました以上」
「あははははは」
「悪夢だ…」
「そや、えらい悪夢やけどへばったらあかんで」
「うぁたった」
「どないしたんしっかりせんか」
「無理だよ食い物食ってねーんだからよ」
「かわいそうにな」
ナレーション 「たしかに空腹ではあったし、艦内のたたずまいにもショックを受けたが、
輝にとって信じられないことはミンメイの態度の急変であった。
リン・ミンメイは一体どんな子なのであろう。
5万の難民を乗せたマクロスは冥王星空間より地球へ向けて帰還の途についた」
次回予告 マクロス艦内に復元された町並み、そしてミンメイの変身の早さに戸惑う輝。
敵艦隊の偵察艦がマクロスを探知した。
フォールドシステムの破壊で生じた隙を埋める窮余の策は功を奏するのか?

次回、超時空要塞マクロス『トランス・フォーメーション』


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